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小林よしのり
2022.4.21 11:02日々の出来事

『恋愛論』でいっぺん客観的に滑稽さを自覚しよう

『恋愛論』の感想が次々に届きだして、とても嬉しい。
「FLASH」は読者数の母数が少ないし、女体を見たくて
買ってる読者が大半だから、感想なんて返って来ない。
連載中は反応が分からないまま描いてるのだが、
単行本になって買ってくれる読者数だって限られている。

単行本を読んでくれての感想は、男の反応も、女の反応も、
とても参考になる。
政府が少子化対策に恋愛を考えようとするなら、わしの
『恋愛論』こそ読まなけりゃならないだろうが、例によって
権力は庶民の実態を知ろうともしない。
『コロナ論』を読もうとしないエセ専門家と同じだな。

『恋愛論』は、普通はカッコつけて書かれるものが多い。
しかもスタンダールのような結晶作用として、理想的に
描かれるものが多い。
だが、日本ではプラトニックより、本来は「色恋」という
言葉で表されるようなものだったということを押さえて、
わしは論じている。

過去に恋愛した人も、これから恋愛したいと思う人も、
まずは客観的な恋愛の滑稽さを自覚したほうがいいと
わしは思うのだが。
画期的な手法で描かれた『恋愛論』をぜひ普及させて
くれ。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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